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∪゜ _・゜>ノ のぞきイヌ なんだな

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∪゜ _・゜>ノ のぞきイヌ なんだな

自己紹介

 とある民俗学者研究によると、「のぞきイヌ」は数十億年の昔、地球にまだ単細胞生物ぐらいしか存在していなかった時代から生息していた。

 イヌという名で呼ばれているがいわゆる犬とは似ておらず、肉体らしきものはあるが、その体液は通常の生命活動を支えるのに必要な酵素を欠いており、我々の知る生物学とはまったく異質の原理で構成されている。

 「のぞきイヌ」という名は、嗅ぎつけた獲物をどこまでも追跡してひたすら覗き見る性質から付いたものである。

 「のぞきイヌ」に近づきすぎた不注意な者は、「のぞきイヌ」に匂いを嗅ぎつけられる危険があり、ひとたび発見されてしまうと、いくら逃げても無駄である。

 彼らは何十億年という時間を跳躍し、どこまでも獲物を追跡し覗き見て、ついにはその内側をのぞくために引き裂いて殺してしまう。

 「のぞきイヌ」から身を守る唯一の方法は、部屋の真ん中にいることである、人類やその他の生物時間の「曲線」に沿って生きているのに対し、彼らは時間の「すみっこ」で生きているため、三次元空間に出現するときもすみっこを通って実体化する、部屋の中央や大通り、にぎやかな場所には進入できないのである。

 

 

 また、忘れられた文明の碑石の記録によると、「のぞきイヌ」は時間が生まれる以前の超太古、異常にすみっこの方に住む不浄な存在とされる。

 絶えず飢え、そして非常に執念深い。獲物の「におい」を知覚すると、その獲物のすべてを知り尽くすまで、時間次元を超えて永久に追いかけ覗き続ける。獲物をのぞく様子から「のぞきイヌ」と呼ばれるが、イヌとは全く異なる存在である。

 彼らが我々の住むこの世界に出現するには、さみしげな影になったすみっこが必要である。 部屋のすみや物品の破片の物陰から青黒い煙のようなものが噴出し、それが凝って「のぞきイヌ」の実体を構成する。

 こちらの世界に姿を表すときの特徴的な形態として、「太く曲がりくねって鋭く伸びた注射針のような舌」と、「原形質に似ているが酵素を持たない、青みがかった脳漿のようなもの」を全身からしたたらせるさまが描写されているとのことだ。



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