僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。
透明なヒトになりたいです。
ちょっと固めの鍵盤を、とんと強めに叩いて生じる、強く澄んだ音。それがするすると連なって、水面を押し上げる湧き水のうねりのように、僕を形作るといい。透過する陽光は虹色に分解され、織り交ぜられ、ピアノの鍵盤を再構築する。無限に続く反復の音階。それは、差分としてしか存在しない何者か。歪みとしてしか映らない、透明な非存在。
僕はそれを自意識と呼ぶ。