Perfil
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■自己紹介
1980年生まれ。都内某大学・大学院にて建築学を専攻。現在、不動産業界で勤務。行ったり来たりな日々を送る。
プラネタリウムの真ん中の機械になって、ピカピカと脈動する星座のような<意味>に遺産を変えてしまうこと。自分を包んでそびえるドームの中のあらゆるものを扱うことこそ自分の義務の一部ではないか。とは言っても障害が多すぎる。法律、投資、不動産、つまるところは死んだ男じたいについて、まったく知らないのだ。遺言検認裁判所に供託させられた保証金が行く手に立ちはだかる障害の大きさをドルで評価したことになるのかも知れぬ。<ザ・スコープ>の便所の壁からメモ帳に書き写した印の下にエディパは「私は一つの世界を投射すべきか?」と書いた。投射とまでは行かなくても、少なくとも、星座のあちこち、ドームに何か矢印のようなものを点滅させて、あれが竜座、鯨座、南十字星というくらいのことは示すべきでないか。どんなことでも助けにはなるだろう。
「ん。おれに何か言いたいことでも」
「そうかい」
ははん、と勝夫は了解した。おのれはことばをうまく使うことが叶わないのに、なんでおれがそんなに苦しまないで話していられるのかが知りたいらしい。またはおれを観察して、おれが何か知っていそうだと察して、このおかしな現象について教わりたいのかもしれない。しかしそれをこの子に、この子が理解可能なことばで言おうってのはたいていのことではないのだ。
「そうかな。わりとまともになんでも言っているようだが」
「そうか」
「そうだよ」
「これでいいか。おかしくないか」
「おかしくないとおもうよ」笑い出さないように、故意に重々しく勝夫は断言した。「おかしくない」
「そうか」しかし女の子は納得していないようだった。しばらく黙っていてから、女の子は言った。「わたしはたいそうたいそうおかしいと思う」そして行ってしまった。
その瞬間,彼は息がつまりそうな疲労感におそわれた.まるで彼をとりかこんでいるすべての疲労が,自分の肩にのしかかったようだった.中庭に出てみたが,中庭も疲れはてていた.上を向くと,星までが疲れているようにみえた.彼は思った.存在しているものすべてに,たったひとつでいいから,例外がゆるされればいい.たとえば,延期とか,忘却といったような.
(アントニオ・タブッキ,須賀敦子訳『遠い水平線』)
だんだら縞のながい陰を曳き、みわたすかぎり頭をそろへて、拝礼してゐる奴らの群衆のなかで
侮蔑しきったそぶりで、
ただひとり、 反対をむいてすましてるやつ。
おいら。
おっとせいのきらひなおっとせい。
だが、やっぱりおっとせいはおっとせいで
ただ
「むかうむきになってる
おっとせい。」
(金子光晴「おっとせい」)
■その他,ウェブ上の足跡など
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