虎

虎さんのプロフィール

複雑系サウンド(耳障りの良い音が出る数学)を研究する人

プロフィール最終更新日:

ニックネーム
一行紹介

複雑系サウンド(耳障りの良い音が出る数学)を研究する人

自己紹介

 自然の摂理に関連深い複雑系科学に基づき、できるだけ生楽器に近い音色にて簡単に演奏ができる電子楽器の研究開発を行ってます。生楽器の各部構成要素(相互作用をしている多数の構成要素 ※1)の運動方程式(非線形連立微分方程式)を立式し、発声やスマホタッチなど、日常的な動作に応答させながら方程式を解いていくことで、楽器音を発生させます※2。

 サンプリング音源とは一線を画し、声の抑揚などの外部摂動に鋭敏に反応し、都度違うあなただけの音色が出せます。また数理モデルなので、生楽器の宿命である物理的制約(例:擦弦楽器の胴板の厚み※3、あるいは胴の空洞サイズ※4 に関する制約)がなく、例えば鈴虫の羽音※5のようなバイオリンや洞窟サイズのコントラバスといった生を超越した音色が現実のものに。そのためには生楽器らしい遺伝子(ゆらぎや空気感など)を残したまま、前記物理制約を排除したモデリングを行うことが必要となりますが、生楽器らしい遺伝子を如何にして数式化するかが腕の見せ所です。それを可能にするのが複雑系が持つ「カオスの縁」のような創発現象だと心得ており、日々カオス現象に翻弄されるがごとく格闘※6してます。

 現在は、主に擦弦楽器や管楽器(いずれも複雑系システム)の数理モデル化を行い、スマホアプリに仕上げて皆様に公開していってます。昨年2023年はスマホトランペットをリリースしましたが、今年2024年は、スマホチェロをリリースできればと思います。一流の演奏者にしかできない匠の技を手に入れる達成感は音楽の醍醐味であると思いますが、一方で、手の器用さ/音感の良さ/練習時間や費用/根性etcが無くとも、また何らかのハンディキャップがあろうとも、持ち前の感性だけでアウトローっぽく勝負できること、これもまた、音楽の醍醐味にしたく、かような数学を研究している訳です。遠い将来には誰もが鼻歌やジェスチャーなど得意なインタフェースでオーケストラが奏でられる世界を実現したいです。

【注釈※1】弦、管、響板、胴、ブリッジ、唇など。

【注釈※2】数理ベースであることが物理モデル音源と異なる点。

【注釈※3】響板の厚みを限界点以下に整形すると、弦の張力に耐えらずバイオリンがお釈迦になるので限界点ギリギリのところで整形しなければならない(職人の腕の見せ所)。この物理的制約があるがために、高音域で演奏すると胴の共鳴域から外れた帯域で無理やり音を出そうとするので「ヒーヒー」といったような響きが乏しい音色になってしまう。とは言え、悲壮感のような感情表現ができるとも言えるが・・・。ともあれ理想は、発音ピッチにあわせて胴の共鳴周波数が動的に変わる、小鳥のようなメカニズムだと考える。

【注釈※4】胴のサイズが大きくなりすぎると楽器を支持できなくなる。

【注釈※5】鈴虫の腹部の空間は十分小さいので、高音域を共鳴可能。

【注釈※6】納得いく音色を目標に、「数式見直し」と「パラメータ調整」の繰り返し。

学校

広徳小学校/志徳中学校/小倉高校/九州大学

趣味

音楽/DIY/猫と昼寝/Tigers応援