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道のむこうに、全身がもやもやした影みたいのに包まれた
男性が立っていた。わーやなかんじ、と思って傘で顔を
隠して通り過ぎようとしたらすーっとその人が寄ってきて
すれ違いざまに「よく気付いたな」と小さな声で言って
通り過ぎていった。
足しションベンするかと思うくらい怖かったっす。マジで。
その後男とは別れて、家へ帰ろうとしたんだけど、
よっぱらってたからB子はA子のアパートに泊まることになって一緒に帰った。
A子の部屋についてB子がベッドのところに座った。
B子は思い出したかのようにA子に、
A子は行かないと言っていたが、あまりにもB子が誘うので行くことにした。
鍵を閉めて外に出たところでB子は警察に連絡をした。
なんとA子の部屋のベッドの下の隙間にナタを持った男がいた。
B子は窓ガラス越しに男がいることに気づき、そこで声を出したならきっと殺されるという
その男は近くにある精神病院から抜け出してきた患者だったらしい。
もう前の話でごめんなさい。10年ぐらい前、お互いが実家のため
色々行ってみたけど、結局お気に入りができていつもそこに泊まってた。
港北のどっかのラブホにオバケでるらしいよって噂は聞いてたけど
二人とも信じてなかった。なんでも殺人があったらしい。
ある日、お気に入りが満室で別のとこに行った。
寝ようとしてベッドのトコにある電気を消そうと彼が振り向いたから
私もなんとなく振り向いてスイッチを見てたら、(回すタイプのやつ)
慌てて彼がスイッチを元に戻して「今の・・・見た??」「見た・・・」
二人でしばらく黙り込んだ。
私は、霊感ってほどじゃないけど「ここなんかイヤな感じ」と
言わないようにしてたけど、その部屋も入った途端ヤな感じしてた。
二人して移った。気のせい、気のせい、と二人で笑って忘れようとして
めくったら、「この部屋、やばいぞ」とか
もう帰る。この部屋に泊まるカップルは、気をつけろよ」
っていう書き込みが、かなりマジな口調でたくさんあった。
常設テントのキャンプ場で宿泊した時、自分らの泊まったサイトには8人用の大テントが7つあったんです。
私らはその中の第7点と7テント。一番端っこでした。
みんな寝てたはずなのに。
え、と思って外に出てテントを見ると「第8」と書いてある。
なんだ、俺は第7じゃん、と思って一つ前のテントで寝た。
・・・いえ、気づいてたんです。「第8テントはない」ということは。
でも怖かったので、自分の思い違いだとむりやり信じ込んで寝ました。
翌朝、第8テントは消えてました。
A君はバイクを持っていて一人で乗ってB君は車を
持っていて残りの3人が乗っていました。
日が暮れて、帰る時にふとB君が「競争しようぜ。」
といいます。そこでA君のバイクと、B君B君の彼女A君の彼女の
乗る車とでお互いの家まで競争することになりす。それぞれの
カップルは同棲しており、同じアパートで知り合った4人なのです。
先についたのはB君たちの乗る車でした。勝ったのに喜ぶ
A君はバイクの運転はとても上手いので、本当なら
先についていて当たり前なのです。
その日A君は帰りません。
そして次の日、目覚めたA君の彼女は
信じられないことを聞きます。
B君とB君の彼女がとても悲しげで不安げな様子で部屋にきています。
「今朝警察から連絡があって、Aのやつカーブ事故で死んじまったらしいんだよ・・・」
「ガードレールに、凄いスピードで激突して・・・・即死だったらしい・・・」
A君の彼女はずっと考えていましたから、万一のこともあるだろうと
分かってはいましたが、やはりショックで泣き伏せてしまいます。
「朝・・・連絡があったって言ったじゃない?・・・」
「あのね、驚かないでね、あたし達そのあと部屋に誰か来たの。」
「誰だろうと思って・・・それで誰だ?って聞いたら・・・・・」
『Aだって言うんだよ・・』
B君が割って話してきます。
『悪い冗談だって思って、すぐに怒鳴りつけてやろうと思ったけど
あいつがきたの、俺らが電話を受けてからすぐなんだよ・・・だから
誰かがふざける余裕なんてねえだろうし・・俺ら怖くて、それで
開けらんなかったんだ、そしたらかえってったんだ・・・』
B君たちはA君の彼女にもしもAがきても決してドアは開けるなと
自分たちを引きずり込もうとしていると言うのです。B君たちが帰った後に
その夜。
「来た・・・」
「おい!」「俺だよ!」
「ここを開けてくれよ!」
部屋の隅でA君の彼女は必死に耳をふさいでいますが、彼との思い出と
そしてA君の彼女は
せめて成仏してほしいと思い
『死んだのはおまえらのほうだよ!!!!』
A君の彼女は気絶していました。
そして、次に気付いた瞬間
死んだはずのA君がいて、泣いて喜んでいます。状況が全く掴めない
「競争して、俺が家に着いても、お前達はぜんぜん来なかったんだよ。」
「それで来た道を戻ってったらお前達の車がめちゃめちゃでさ・・・
「でもお前だけは軽傷ですんでたんだよ。でもずっと気を失ってて・・・」
すぐあとにとても恐ろしくなり、ずっとA君に抱き着いています。
あのままA君のよびかけをずっと無視していれば、A君の彼女も
死んでいたのでしょう。
ジェリーが大人になった頃トムはもうこの世にいませんでした。トムは自分の命の終わりがすぐ傍まで来ているのを知ったとき、
こっそりジェリーの前から姿を消しました。ジェリーの前で弱って涙もろくなった自分を見せたくなかったのです。
トムはジェリーの心の中ではずっと喧嘩相手として生きつづけたかったのです。
トムがいなくなったのに気づいたときジェリーは悲しみはしませんでしたが、退屈になるなと思いました。
トムとの喧嘩は最高にスリルのあるゲームでしたから。胸の奥が不思議にチクチクはするのですが、それが何なのか、
ジェリーにはよくはわかりませんでした。トムの願い通り、ジェリーの心の中でトムはいつまでも仲の悪い喧嘩相手でした。
そんなある日ジェリーの前に一匹の猫が現れました。トムよりのろまで体も小さい猫です。喧嘩相手のトムがいなくなって寂しかったジェリーは、
今度はこの猫を喧嘩相手にしようと考えました。そこでジェリーは、穴のあいた三角チーズが仕掛けられたねずみ取りを利用して、
その猫に罠をかけることにしました。いつもトムにしていたように。
ジェリーは物陰に隠れて、ねずみを求めて猫がねずみ取りの近くに来るのを待っていました。そして思惑通り猫が罠に向かって近づいてきます。
ジェリーはしめしめと思いました。いつものように、自分がねずみ取りにひっかかるふりをして、逆に猫をねずみ取りにかけてやるんだ。
うふふ。手か尻尾を挟んだ猫の飛び上がる姿が頭に浮かび愉快です。
でも、その猫はトムではありません。猫はチーズの近くまで来たとき、ジェリーが出てくるより早く美味しそうなねずみの匂いに気づき、
目にもとまらぬ速さで隠れていたジェリーに襲いかかってきました。ジェリーはいつもトムから逃げていたように逃げましたが、
トムよりのろまなはずの猫にすぐに追いつかれてしまい、体をガブリと噛まれました。ジェリーも噛みつき返しましたが、
トムより体が小さいはずの猫は平気です。
血まみれのジェリーは薄れ行く意識の中で、本当は鼠が猫と喧嘩して勝てるわけがないことと、いつもトムはジェリーに「してやられた」ふりをして、
わざとジェリーを捕まえないでいたことを、そのとき始めて知ったのです。トムの大きな優しさと友情に気づいたのです。
そしてトムがいなくなった時の胸の奥のチクチクの正体にも気づきました。かけがえのない友を無くした悲しみでした。
ジェリーの魂が体を抜けた時、空の上には優しく微笑みジェリーを待っているトムがいました。
「また喧嘩ができるね」
「のぞむところさ、今度こそは捕まえてやるぞ」
ある夜のことでした。
会社員のAさんは残業で遅くなったのでタクシーをひろいました。
タクシーの中では運転手さんといろんな話で盛り上がっていました。
そして、タクシーは山の中の暗い道を通りかかりました。
脇にはうっそうとした森になっており、他の車はみあたりませんでした。
その時、タクシーの運転手は人が変わったように暗い顔をしてこう言いました。
「いいですか、ここでは絶対に車の窓側を見てはいけません。絶対ですよ・・」
Aさんは豹変した運転手に驚き、「はい・・」としか言えませんでした。
でも、運転手に反応は無く何も言いません。
Aさんはだんだん怖くなってきました。
その時でした。
見るなといわれていた窓側から「う~う~」と言う声が聞こえます。
なんだと思ってAさんは窓側を見てしまいました。
すると、窓にぬ~っと怒りを浮かべた男の形相が現われてAさんの顔を見てこう言ったそうです。
「てめぇじゃねぇ!!」