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- Hatena ID
- mocching7
- Nickname
- さかもっちゃん
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- Self introduction
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ちょうどその当時、トランジスタラジオの価格が下がり、子どもでも持てるようになった時代でした。
小学生の僕は、この小さな箱から男の人の声や女の人の声、さらに音楽まで出てくることが不思議で不思議でたまりませんでした。
自分は、女の人の声は出せないのに、この小さな部品(スピーカー)は何故出せるんだろうと思ったのです。
そこで親にバレないように、恐る恐る分解しました。
ラジオをひっくり返して裏蓋のビスを4本外し覗き込んで見ると、そこには部品が所狭しと詰め込まれていてその奥にスピーカーが有りました。
1960年代 カラーテレビが各家庭に普及し鉄腕アトムがカラーになった時は、子どもながらに感動したことを、はっきりと覚えています。
カラーテレビの出現に感動しながらも、小5の僕の心は「この小さな箱」にずっと向かっていました。
なぜかと言うと、この小さな箱「トランジスタラジオ」と「トランシーバ」だけは、どこにも音を伝えるための線が無かったからです。
子どもの科学、初歩のラジオ、ラジオの制作、ラジオの仕組み などいろんな本を読みました。
ところが、どの本もオームの法則に始まりキルヒホッフの法則、その先に受信周波数の計算式と読めば読むほど訳の分からないことばかりでした。
中学生になった頃には、「同調回路」「高周波増幅回路」「中間周波増幅回路」「検波回路」「自動利得調整回路」「局部発信回路」「スーパーヘテロダイン方式」「低周波増幅回路」「電源回路」こんな言葉が頭の中を駆け巡っていました。
それでも、依然として「この小さな箱」から音が出てくることは謎のままでした。
おまけに、中学生になった僕の頭の中は半分以上、好きになった女の子のことを考えているのです。いわゆる初恋というやつです。
今、思うと小学6年から高校生になるまで、その娘のことを一途に思い続けていました。恋の一方通行です。(笑)
その頃の僕は、この小さな箱には興味が有りましたが、電波を送っている放送局には全く興味が有りませんでした。
これも今思うと、一方通行です。
自分の心の中で、何にも解決しないまま中学2年の時に学校の図書館で「放送局のしくみ」と言う本に出会いました。
興味はないけどと思いながらパラパラとめくってみると、そこには図解入りで、アナウンサーがマイクロホンに向かって話している挿絵が有りました。
そこには、吹き出しで人の声がマイクロフォンを通して音声信号に変換(低周波回路)される様子や搬送波と言われる電波(高周波)と音声信号を混ぜて放送局のアンテナに送られる様子など細かく書かれていたのです。
いままで読んだ本の内容が、次から次と出てくるのです。
無我夢中で読みました。
今まで、漠然と読んでいた回路名が意味を持って理解できた瞬間でした。
そして、その本の最後に
「ラジオ受信機は放送局とは逆の手順で、搬送波から音声信号だけを取り出す装置のことです」と書かれていたのです。
今でも忘れません。
胸につかえていたモヤモヤがストンと落ちたような気がしました。
そして、図書館でしみじみ「放送局とラジオは繋がってるんだ」と思いました。
今思うと、当たり前のことですが、えらく感動したことを覚えています。
そして、2つの事を学びました。
一つは、「放送局とラジオは高周波(電波)でつながっている」ということ。
小さな箱に思いを寄せ感動し、好きな娘に声すら掛けられずに過ぎ去った青い時から40年過ぎました。
僕が、感動した技術などや仕事しながら感じたことなどを、このブログでお伝えできたらいいなと思います。
よろしくお願いします。
- Full name
-
さかもっちゃん
- Gender
-
男
- Age
-
60歳