まよなかにかなう
深夜、全身にぐっしょり汗をかいて飛び起きて何も覚えていないのに暴れる心臓を押さえる。沢山の憂鬱な記憶をリロードして、話足りなかった言葉を探す。暗く湿った空気に体を浸し、呼吸のし易さに安堵する。肌からは順調に夜が染み出している。誰も気がつかないだろう。誰も気がつかなくて構わない。今きっと、この世の全てが夜でありますように。どこかからひんやりとした空気が流れ込む部屋で私の目が二つだけ、丸く光っているのをイメージする。
もう一度、おやすみなさい。明日朝が来ませんように。